自分を肯定し続けるのも大変そう〜『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』

映画『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング(I Feel Pretty)』を見た。



冴えない容姿に自信を無くしたレネー・ベネット(エイミー・シューマー)がエクササイズ教室に通うことを決意。ある日のトレーニング中、機械が故障し転倒、頭部をぶつけて気絶してしまうハプニングが発生する。目覚めた時には自分が「絶世の美女」に変身したと思い込み、そこから恋も仕事も絶好調になるというストーリーである。
この映画の面白さは「レネー」自身の容姿は変わっていないが、絶世の美女に変身したと思い込んだことによって言動も自信に満ち溢れ、周囲の人間も彼女本来の魅力に気づく部分である。
ただルッキズムへのアンチテーゼとしての始まり方と終わり方がすごく良かっただけに、途中の「容姿が冴えないという自己批判が他者(友人など)にも向かい、傷つけてしまう」部分をもう少し深く掘り下げて欲しかった。
確かにこの映画は面白いし勇気をもらえるが、それと同時に「自分を美しいと肯定し、愛し続ける」には時間と労力が必要だしそれなりに疲れるので、冴えなくて醜い自分でも生きていけるような社会や環境になればいいのになと思った。