自分の「頑張る」と他者の「頑張る」は全然違う 〜 『神クズ☆アイドル』7巻

神クズ☆アイドルの7巻を読んだ。

神クズ☆アイドルの好きポイント125個目:目次がSNSのタイムラインになってるところ。オタク特有の誇張表現とかが挟まれる目次、いちいち芸が細かい。


さて、今回発売された7巻はタイトルのとおり、仁淀が自分の「頑張る」と他者の「頑張る」は全然違うと気付く回でした。

ある程度頑張って“流れ”に乗ることができれば…得る収入も格段に増えるということだな… 気づかなかった…!目先の「楽」に気を取られて本質を見抜けていなかったってことか……頑張って…アイドルってどう頑張ればいいんだ……!?

(引用:『神クズ☆アイドル』7巻  4ページ)

モチベーションが“収入増加”なのが良いですよね。収入大事。

仁淀は頑張らなくても全てをそこそこやり過ごしてきた人間なので、頑張り方が分からないということが分かっただけでも進歩だなと思うし、仁淀自身が周りにいる人の頑張り方をちゃんと分析して言語化できていることにも驚いた。

と思ったら後半でまさかの仁淀母が登場し、波乱の展開に.......。仁淀の性格を熟知している母親からの「アイドル辞めれば?」発言に、私は思わず「ねえ待って!仁淀はアイドル頑張り始めてるんですが!!!」と大声で叫んでしまった(お前は誰なんだ)。これは本当に不思議なことなんだけど、最初神クズを読んだとき仁淀やる気ねぇな…って思ってたのに気付いたら応援しちゃってるんだよね…おもしれー男。

 

そして色々あって(端折りすぎ)仁淀はアサヒちゃんの姿が見えなくなります。悲しい。だって仁淀とアサヒちゃんは1巻から二人三脚でやってきたわけじゃないですか。そんなのあんまりだよ…と嘆いていたら、今度は瀬戸内くんにアサヒちゃんの姿が見えるようになってて爆笑した。私の情緒どうしてくれんだ。

瀬戸内くんが仁淀オタクをやってる姿を見るのが大好きなんですが、今回アサヒちゃんに胸の内を話している場面がすごく印象に残った。アイドルをずっと続けていたい人もいるが、仁淀はいつだってやる気が無くて、もしかしたらアイドルなんていつでも辞められるのかもしれないと思いながら、それでも仁淀がステージで輝く瞬間をもっと見たいし、でもそれは自分の願望を押し付けてるだけなんじゃないか…と吐露するところね。仁淀を偶像ではなくちゃんと人間として見てるというか、尊重したうえで己の願望がときにその人を苦しめるかもしれないことを自覚してる(ここ重要)。

あと、瀬戸内くんがアイドルを応援している自分を身勝手だと思うこともあるし、その人の全てを知ってるわけではないのに、元気を貰ったり励まされたり喜んだり怒ったり…でもそうしている自分が一番自分らしい・本当は自分のために何かを応援してるのかもしれない、と話すときの表情とかさ〜すごく幸せそうだった。仁淀、聞いてる(見てる)か〜!?

なんか、瀬戸内くんから見た「アイドル:仁淀ユウヤ」がどれほど大きい存在なのかがよく理解った。

今回も面白かったです。8巻の発売が楽しみだ。